幕末から明治にかけて活躍した井上馨によって建てた湯河原の別邸を当時の佇まいをそのままに今も残されている。
彼は、伊藤博文内閣で外務卿、外務大臣、農商務大臣、内務大臣、大蔵大臣を歴任した人物。鹿鳴館外交に代表されるように、井上馨は舶来文化の導入に積極的で、彼の生活の中に欧米の文化が様々な面で融合されている。明治時代後期に建てられた築100年を超える歴史ある建物でありながら、欧米の建物の意匠性を取り入れている極めて珍しい佇まいだ。


応接間として活用された六角間をはじめとして、階段や窓際の手すりなど随所に日本建築と欧米建築の融合がなされた不思議な空間。
まさに、文明開化の音がしてくるような時代背景を感じる建物。
日本建築の閑静な佇まいの中に欧米の遊び心を取り入れた井上馨の感性を見ることのできるのが愉しい。

取材協力:湯河原清光園 旧井上馨別邸の宿